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2012.02.09 (Thu)

Mere Impressions, Part 2-Free Game (Novel and Others)

愛と勇気。


明けない夜が来る前に
「幻創映画館」:Novel

EDELWEISS
「幻創映画館」:Novel

ウェザーウィッチ 気象魔女の夏
「藍恋工廠」:Novel (Choice)

娘子隊皓旗
「藍恋工廠」:Novel

朝焼けの謳
「Satis factory」:Novel

Parliament ~高貴なるモノとの日常~
「who is mine」:Novel

桃色☆パニック
「INFERIOR」:Novel

ゆめいろの空へ -Original version-
「NaGISA net」:Novel

一陣の夏風
「蒼鷺旅館」:Novel

乙女心と夏の空
「九州壇氏のノベル工房」:Novel

悲湯 遺伝子レベルの殺意
「セミラミスのアマゾネス ゲーム世界」:ADV



More ......



>2012.02.09 / 2012.01.25



悲湯 遺伝子レベルの殺意 - 2011年 12月 version -
※「誹謗中傷」呼ばわりされるのもムカツくので、改訂します。


プレイ環境:通常モード
最終到達点:30点 END



・「ゲーム」としての出来:「B」
「豊富な Ending 数」や「独自の推理システム」、「わりと堅実なヒント」や「物語の多重構造」など、ゲームとしてしっかり遊べるレベル。



・「推理物」としても出来:「D」
といっても、わたしは推理物には疎いのだが。物語中に起こるすべての事象は「真実」と「プレイヤーをミスリードさせるトラップ」に分けられるはずだが、その機能がうまく働いていたとは思えない。

要は「Semiramis」氏がコメントで挙げている「トリック」のなかには、プレイヤーにフックしないものも含まれている、ということである。ただし、「殺人企画者」のトリックまで暴かれた場合に別の印象を受けるかもしれないので、ここは保留にしておくべきか。

また、プレイヤーに情報を与えるために、登場人物たちが進んでベラベラ喋りだすというのは、どうにかならなかったのだろうか。主人公に「探偵」という役割を与えたのなら、会話のなかでの何気ない「情報」を掬い上げ、きちんと「こちらから働きかけて証言を取る」というゲームデザインにしてほしかった。こうすると、周回プレイを前提にしたゲームとしてはすこし「複雑・冗長」になるかもしれないが、「推理物」としての完成度は上がるだろう。



・立ち絵:「C」
わりとキレイな絵柄だとは思うが、ポーズがほぼ共通なのでジェネレータで生成したようにも見える。「死体」の絵が手抜きなのもいただけない。



・その他のグラフィック:「D」
背景画像に統一感がない。邸内のマップ作りも詰めが甘い。タイトル画面はロゴや人物配置を含めセンスがない。『ラフィン』のときはそうでもなかったのに。



・「殺人鬼」のトリック:「C」
推理物に明るくないひとでも、しっかりと物語を追っていけば、犯人特定は難しくないレベル。一部に『金田一少年の事件簿』と良く似たトリックがあったが、「2012年度版」以降は修正されているらしい。

※『金田一少年』からのトリックの「盗用」はない、と「Semiramis」氏から指摘があったので、ここで改めて訂正しておく。



・「殺人鬼」の犯行動機と事件背景:「D」
ひとことでいえば「火サス」レベルの「Sex & Violence」。というか、あたりまえのようにはなしが進むのだが、「メイドツアー」ってなんだ?



・「殺人企画者」のトリック:「Unknown」
「殺人鬼」を突き止めた時点で、まだ残っている「証拠」や「謎」がそれに当たるのだろうが、わたしは「先」に到達できていないため不明。誰か攻略法を教えてくれ。



・真の事件背景:「Unknown」
「Semiramis」氏はだいぶ自信を持っているそうだが。おそらく「邸」で行われていた遺伝子研究とかが係わってくるのではないだろうか「遺伝子レベルの殺意」とか謳っていることだし。ただ、「遺伝子改造手術でランクを上げる」とか言われた後だと期待薄なのだが。「Semiramis」氏は「遺伝子」に過度の期待があるのかしら?



・「シナリオライター」の基礎的な文章力:「E」
サークルの中心人物である「Semiramis」氏は、「わたしは『シナリオ』を書くのだから、小説的表現など必要がないのだ」と豪語しているが、その真意が「小説的表現がしたくてもできない」からであることは「まともな日本人」なら全員気付いている。いい加減、つまらない虚勢を張るのではなく、真摯に国語を勉強するべき。



・「シナリオライター」のキャラクタ造形力:「E」
ほんとうに疑問なのだが、「Semiramis」氏が生み出した「女優」=「Semmy 専用高級娼婦」は、どうしてあれほどの「加齢臭」がするのだろうか。どこまでも「オヤジっぽい感覚」で描かれる気味の悪い女性像には閉口せざるを得ない。どいつもこいつも「おともだち」になりたくない人種ばかり。ただ、朽木が「食事観」を語るときのセリフと、メイド妹のバカっぽい感じは、わりと好きだったりする。



・「シナリオライター」の女性に対する性的執着心:「S」
下劣で程度の低い「下ネタ」を「至高のブラックジョーク」とか謳っている時点でアウトだろう。世間はそこまで甘くはない。とにかく「匂い(=色香=フェロモン?)」に関する描写が「キモイ」のひとこと。実際、思春期男子の「色狂い度合い」があういう感じだというのなら、なるほど「15推」=「少年のような純粋さwww」……である。



・「シナリオライター」の反社会性:「S」
本編前が始まる前に、いきなり「窃盗(=万引き)」を正当化する珍理屈を並べられたときには、不覚にも「大爆笑」してしまった。いくら自由な発言が日本国民の権利として許されているからといって、「浮かれてるひとたち」に悪影響を与えるような戯言を「賢人面」して書き散らすのは、いい加減止めたほうが良い。

というか、「Semiramis」氏の公称する年齢を信じるならば、孤高のアウトサイダーを気取って「ボクが考えた社会悪」に「エア決闘」を申し込むような「時代」は終わっているはずなのだが。馬鹿な学生を甘言で釣っている場合ではないだろう。……とか書いたら、「ボクを応援するひとまで『誹謗中傷』するな!」と憤っていた。

だがしかし、「馬鹿は馬鹿であるがゆえに馬鹿としか群れることが出来ない(とくに自分以外の人間を蔑んでいるようなヤツは)」のだから、「Semiramis」氏を慕っているような連中は、やっぱり馬鹿なのだとわたしは思うよ。



・「シナリオライター」の知的活動、及び現実認識力:「F」
作品内に「あたまの良い者と悪い者はお互いを『アホ』だと馬鹿にし合っているが、正しいのは『必ず』あたまの良い者である」という「名言」が出てくるのだが、このことばに従えば、この評価は必然だろう。ぜひ「現実を受け止めて」ほしい。



・「シナリオライター」の正当性:「F」
上におなじ。「Semiramis」氏は、「事実」を自分の都合の良いかたちに捻じ曲げ、かつ「まるで『息をする』くらい自然に、それを信じこむ」ことができる「天性のウソ吐き」。

例:わたしの「誹謗中傷」に対して「Semiramis」氏が「反撃文」を投下。わたしがその「反撃文」の URL を晒すと、すぐに「反撃文」を削除。その後は、「反撃文を読んだらわたしが傷つくから(=体の良い責任転嫁)」という理由で「反撃文」を再掲することを拒否。

わたしが URL を晒したことが問題だというのなら、そのことを指摘し、「晒し」をしないことを確約させて、改めて「反撃文」を投下しても良さそうなものなのに、なぜそれをしないで自分の Website で勝手に「勝利宣言」をしていたのかが判らない。

それにしても、ついひよって、内容を確認する前に URL を晒したことはいまでも後悔している。もしかしたら、知性と気高さにあふれた、ものすっごい反論だったかもしれないのにwww もしそんな内容だったら、わたしも過去の言動を反省して、すぐにでも「馬鹿」呼ばわりするのを止めたのにwww

いちばんの悲劇は、彼の「才能」は創作面では発揮されない、ということだろうか。



・この作品の総合「OMEGA GENE RANK」:「D」
「フツー」に遊べる「フツー」の作品である。「フツー」に評価されることもあるだろうが、しかし、「Semiramis」氏自身の「評判」に勝るようなインパクトを持った作品ではない。



P.S.
いくら自信がないからといって、「爆笑コラム」にアク禁かけるのは止めてくれwww




>2011.12.15



乙女心と夏の空
過去の自分が語るものとは。


「Mere Impressions」を始める前、まだ「しんだてい」になっていた頃に、こっそりと感想を書いていた作品。それをコメントで言いたい放題に補足した

読めば判ると思うが、内容としては悪口・陰口の、さらに程度の低い部類で、はっきりいって出来が良いとはとても言えない。このコメントについて、まずは申し訳ないと謝罪しておく。

と、なぜ以前にこっそりと Disった作品を、わざわざここで再び取り上げるのかというと「九州壇氏さんの、このエントリ」を読んだからである。ただ、上記のコメントを書いてからこのエントリが上げられるまでに、半年以上が経過している。だから、ここで批判されている人間は、わたしなのかもしれないし、まったく関係のない他の人なのかもしれない。まあ、別にどちらでも良いことだ。

九州壇氏さんは真面目で、自らを律する自制心があり、物事をまっすぐに見据え正しく捉える思慮深さがあり、人間的な「善」を追求する志の高さもあり、現在は一社会人として実社会に貢献もしているのだろう。要するに、端からわたしとは人間の「出来」が違うのだ。その「事実」に異論はない。

とはいえ、九州壇氏さんが書いたこのエントリも、結局は「当てこすり」の陰口に過ぎないのだが。批判でもなんでも、対象をきちんと特定しておかなければ、こうしていらない「虫」が湧く。

相手の存在をはぐらかすのは「傷つけない」ようにと配慮をして? ……それは詭弁だろう。ココロのどこかで「わたしはいま、悪を成している」と「冷静」に考えているから、躊躇して率直な表現ができないのだ。「ブッ殺す」と決めたときにはすでに、行動は終わっていなければならない。こういうときこそ、情熱を持って「刺しに」いくべきだろう。



さて、作品に対する「批判」……というか「陰険な悪口」でしかない上記コメントをそのままにしておくのは、謝罪したことと結びつかないので、いま再び読み返して感じたことを書き出しておく。


・ドラマになっていない

これは間違っている。「喪失」を軸に物語をドライブさせ、善人が善を行うだけのこの作品は、見事に「ドラマ」になっている。ただ、主人公たちがほとんど「成長していない(もともと持ち合わせている素養を発揮しているだけだから)」という点は、その通りではあるが。


・脇役、モブ、邪悪な負け犬ども

わたしは、主人公を正当化させるために「登場させられる」ステロタイプな「負け犬」を見るたびに、ついつい彼・彼女たちのバックグラウンドを考えてしまう。それは単純に、わたしが「彼らの側」であるからだ。

まともな「人格」すら与えられない、ただの「記号」でしかない彼らにも人生があるとするなら、それはどんなものなのか? 他人から省みられることのない人生に意味はあるのか? そして、最終的には「邪悪とはなにか?」というところにたどり着く。善人を眺めていても、その答えは出ない。


・不在の物語

もちろん、全員が幸せになる「大団円」に持ち込むには、ああいうファンタジィが必要だった、というのは理解できる。でもまあ、とりあえず「キモチワリイ」は止めておいたほうが良いな。そう感じていたとしても。


・主人公たちの評価

ここまでツッコまずに、もっと穏便に「テンプレの域を出ない人格設定はおもしろ味がない」とでも書いておくべきだったのでは?


・楽園

例えば、学生の頃から付き合っていて、そのまま結婚して幸せに暮らしているカップルも存在している、ということを鑑みれば、あらかじめ獲得していた「楽園」に安住するというのも間違いではないのかもしれない。

結局のところ、わたしが周りの環境から捻じ曲がった「なにか」を学び取ったのか、あるいは幸福な人々に対する嫉妬で目が濁ったのかのどちらか、ということになるのだろうか? と自問してしまう。


・美しき友情

昔馴染みの多い地元に残って、ずっと生活している人たちは、案外、こんな感覚でいられるのかもしれない。わたしには判らないことだが。

この反応も、自分が失ったもの・持ち得なかったものは美しくも妬ましくも見える、という無意識からの告白だろうか。「善」を前にして、自らの邪悪が映し出されたのだろうか。だとしたら、なんと有意義な読書体験だろう。……とか無責任に書いてみたり。



最後に。わたしの「人格破綻者」的発言は、ぜーんぶ「ギャグ」なんだよ! 自分が、なんの色も持たない凡人だっていうことは、重々承知してるっちゅーの!




>2011.11.16



一陣の夏風 ver.1.00
時期的に、受験生とか大変なんだろうなあ、きっと。


青色が映えるタイトル画面と、本編でいちばん最初に表示されるヒマワリの画像の美しさに期待が持てた本作。冒頭の、船上でまだ見ぬ吉之島についていろいろと想像する場面では文章も読みやすく、なかなか良い出だしだった。

ただ、吉之島に到着し、ヒロインである「灯」と出逢ったあたりで、一気にテンションが急降下してしまった。なぜなら……あまりにも「読ませ下手」なやりとりだったからである。具体的に言えば「ひとまとまりのセリフのなかに文章を詰め込みすぎ」で、しかも「やりとり自体がさらっと流れてしまって、惹きこまれる部分がない」という点である。この瞬間、わたしは悟った。「ああ、この作品はダメかもしれない……」と。


この作品は、ひとことでいえば「あらすじをなぞっているだけ」である。この作品には読み手であるプレイヤーを惹きつけるための求心力や、彼らの感情を動かすための丁寧さがない。いくら読み進めたところで、ただ製作者が思いついた「あらすじ」を消化しているだけになってしまっている。

ひとのココロは、きちんとした積み重ねがなければ動かせない。ドラマの最終回や有名なワンシーンだけを切り出しても感動しづらいのは、そこに至るまでの「シーンの積み重ね」を省いてしまっているからである。この作品は、その積み重ねの作業がえらく雑なので、こちらの気持ちが乗っていかないのだ。

例えば、この作品のクライマックス。セリフだけを読めば、なかなか気の利いたことを言っているし、シーンを盛り上げるための BGM の選曲も完璧ではあるが、わたしのココロはまったく動かなかった。その時点で、物語の登場人物たちとおなじような心境になっていなかったからである。あれだけ良いシーンなのに、とてももったいない。


「どうでも良いやりとり」を延々と繰り返しているせいでプレイ時間が長くなっているような作品はしょーもないが、しかし、物語を魅力あるものとして成立させるために文章を詰め込んで「シーンの密度」を上げることは、ぜったいに必要だと思う。短編できちんと登場人物を描きたいのなら、なおさらである。このことは誤字脱字の多さに見られる詰めの甘さ、伏線や「一人称の視点変更」の使い方の不味さ以前の、この作品の根本的な問題だ。

純粋な「自己表現」のためだけに書かれたものなら、どれだけ難解であっても、突き放した内容であっても良い。しかし、「他人さまを喜ばせたい」と思って作ったのだとすれば、この作品は製作者の意図から外れたものになっていると言わざるを得ない。そして、その事実に気付かなければ、この先どれだけ創作を続けたとしても、他人のココロに残り続けるような作品を生み出すことはできないだろう。

また、以上の問題点を指摘せず、物語の印象だけでうまくお茶を濁すようなレビュアーは、不誠実であるから信用しないほうが良い。とも書いておく。




>2011.08.03



ゆめいろの空へ -Original version- ver. 1.10
上原美優さんも、きっと天使になっているに違いない。


なにやら「リメイク版」を製作中とのことで、妙にタイミングが合ってしまって複雑な気分になった。というわけで、「敵に塩を送る」ためにも、じゃんじゃん上記リンクをクリックしてくださいwww という冗談。マジメにいこう。



さすが、と言っては失礼だろうが、文章はとても読みやすい。さらに「余計なシーン」の省略具合も抜群で、冗長にも「あらすじ」にもならない、絶妙なバランス感覚を発揮している。

ただ、横書きであるにもかかわらず、文章が横に詰まるような画面レイアウトにしているのは相当な圧迫感があり、いずれ慣れるとはいえ不親切に思えた。「800x600」でやるならまだ許容できるが。

また、物語のテンポを上げるためかは判らないが、セリフが「説明調」なものばかりになっていたのは気になった。それが一因かもしれないが、登場人物同士の掛け合いはハッキリいって陳腐で上滑ったものになっていると感じた。すくなくとも「クスクス」や「ニヤニヤ」を引き出せるようなものではない。

そもそも作品全体の「ノリや雰囲気」が「年代設定が『80年代終わり~90年代初頭』なのか」と勘違いするくらいの仕上がりになっているのが気になる。いや、別にその時代が舞台であるなら、なんの問題もないのだが、しかし、あきらかに「現代日本」であることを示唆する描写がいくつか出てくるわけで、つまりこれはやはり「現代劇」なのだ。ちょっと信じられないかもしれないが。

別にわたし自身、若ぶるつもりはないが、この作品が醸し出す全体的な雰囲気はだいぶ「古臭い」。例えば、あいはらさんの作品群も「古典的」といえば古典的だが、古臭さのようなものを感じることはないのだが。もしかしたら、NaGISA さんは意外と「こだわり」が強いのかもしれない。「Semmy」もそんな感じだし。


そういえば、ヒロインである「スピカ」が絶世の「美少女」として描かれていて、思わず笑ってしまった。いや、NaGISA さんは「美少女の重力圏」から遠い人だと、勝手に思い込んでいたからだ。……ブルータス、おまえもかwww

まあ、「ものすっごい美少女」だけど「無表情・無愛想」というところが「おもしろポイント」になっているのだろう(もっと単純に「ツンデレヒロイン」が書きたかったと明言されているが)。

ただ、それでも「スピカ」の「美少女性」を繰り返し描写する理由にはならないし、また、「生前は純日本人」だったものが「外見だけギャージンさんに変換される必然性」がない(あってたとしても「製作者の都合」だけ)ので、これは NaGISA さんなりの「営業」であり、彼に秘められた「願望」でもある、としておく。そうか、「亜麻色の髪の乙女」が好きなのかwww



さて、「お約束要素満載のラブコメ」というものは、どれだけ「不自然」だろうが「御都合主義的」だろうが、とにかく「個々のシチュエーション」をどれだけ魅力的に描くか、という部分が最大の価値になっている。

そうなると、そういう「みんなのお約束」に対していちいちツッコミを入れるのは、空気のまったく読めていない、とんちんかんでイタい行為……ということに「されてしまう」。これは「批評を封殺するためのカード」としてはなかなか強力だ。「キミ、判っていないなあ」と言ってしまえば良いのだから。

とはいえ、いまさらそんなものを怖れるようなわたし(の立場)でもないので、書きたいことは、「判っている」うえで素直に書く。


最後まで読めば判るが、この作品は「過保護な母親にいろいろと引っ掻き回される」だけのおはなしである。NaGISA さんの作品の主人公は、どちらかといえば「狂言回し」のような位置付けになることが多いらしいが、確かに主人公である「行人」とヒロインの「スピカ」は、特別になにか行動を起こすわけではない。ただ流されるままに日常を送り、その節々でやってくる「(母親と「カミサマ」が仕組む)確信犯的な恋愛イベント」によって愛を育んでいる。自分に置き換えてみれば判るが、これはけっこう気持ちの悪い話だ。これが「母親の愚かしさ」だというのなら理解できるが、思いっきり「美しいもの」として盛り上げているから、違うのだろう。

結局、「スピカ」は最後まで「わがまま」を言ってるだけで済んでいる。結果は「外」からやってくるのだから。お手軽だな。だいたい、あの程度で「自殺しなければならないのなら、巷の『不良少女』は全滅しなければならない」し、あの程度の「罪悪感」で天使になれるなら、このご時世、それこそ「死者の数」より天使のほうが多いような状況になるだろう。話が重くならないよう配慮したのかもしれないが、実に甘ったるい。


甘いと言えば、天界側もだいぶ甘い。そもそも、「たかだか天使ひとりの企みで、『死ぬはずだった人間』と『すでに死んでいる人間』それぞれが生き残る」というあの結末は(ほとんどギャグでやっているとはいえ)始末書程度で済むような問題なのか。

「布教」の名の下に他文化を蹂躙することを容認していたような連中が、「償い」だの「赦し」だの「救い」だのと、「強権的な冷酷さ」が微塵も感じられない、幼稚園児のような志でいることが理解できない。あれだけ歴史のある宗教が綺麗事だけで成り立つわけがないのに。

まあ、これは「個人的な感想です」なので無視してもらっても構わないが、しかし、天界のふたりを「対立する敵役」のように描くのは無理があったのではないか。フツーに考えれば、ムチャクチャしているのは「スピカ」のほうなのだから、「通告なしでいきなり回収する」なり、言うことを聞かないのなら、いっそのことさっさと「消滅」させるなりするべきだと思う。「世のなかナメるな」という意味で。まあ、ぜったいそうはしないだろうけど。しかし、地上の仲間たちが皆、「スピカ」に同情的になるのは、どうも解せない。



最後に、「白猫と少女」の回、あれはあれで良いと思うけどなあ。




>2011.07.11



朝焼けの謳(あさやけのうた)
いまの日本に、鉛街の「外」はない。


ハードな社会的テーマを秘めているように見せておいて、結局は「登場人物がどれほど不幸であるかをゴリ押しし、最後は恋愛至上主義(+家族愛至上主義)的展開で〆る」という、凡百の「感動系」作品と変わらないオチになっていて、ウンザリ。


序盤のほうはまだ「持てる者」と「持たざる者」とを隔てる、互いの「価値観」の衝突を通して「現実社会が抱える問題点」を語る作品になるのかと思えた。それこそ「麺類を食べるときは音をたててはいけません」「クジラは食べ物ではありません」「日本の男性は海外ではモテません」クラスの、カンタンには乗り越えようもない「価値観=積み重ねた人生」の違いがある「はず」だから。

だが、実際に作中で行われていたのは「ただの口ゲンカ」だった。甘ちゃんインテリである主人公の「常識的発言」に対してヒロインが「それって、ぎっぜーん!(あたしはこんなに不幸だったのに!)」と喚き、そのくせ、いざとなったらいっしょに「弱者」という立場に逃げ込んで、ひとときの精神的安息を得るような、どうでも良いヤツ。

そうこうジャレ合っているうちに、いつのまにか「ヒロインの自己実現(あたしのトラウマをブッチギる!)」に物語はシフトしていった。いや、作品の説明文を読めば充分に予測できる展開(=騙しているわけではない)だけど、正直「なんだかなあ」だ。


そもそもヒロインの設定からしてヌルすぎる。「ママは花売り(専業売春婦?)」「そのときの客のオトコにつけられた大きな傷が背中にある」はまだ良い(いや、心情的にはぜんぜん良くないが、物語上の必然としては許容できる)。

ただ、「生きるために窃盗上等(と言いつつ、忘れ物・落し物をくすねてくるだけ)」「なんだかんだ言って、実は処女」「そのくせ母親(マリアかよ)」「10代前半から(ママが用意したらしい)カンパイ系でマジメに働いている」「あたし、『眠り方』を知らないの」というのはどうだ? この中途半端な、いや、ギリギリ嫌われないように「計算された(もっと悪くいえば、媚びた)」設定は。

例え「Bitch」であろうが、生き残るために何人かひとを殺していようが、「それでもきみを愛する」というはなしならまだ美しいと思うが、そうはならない。なぜなら「美少女」は愛されなければならないからだ。幻想を打ち砕くような強い「毒」は、オトコが愛せなくなるので倦厭される。そうして、作品のテーマ自体も薄まっていくのだ。

こういうスタンスからは、どこか「感動のために不幸を利用してる」ようないやらしさを感じずにはいられない。そう、この手の「不幸な運命をの力で覆す」という「お手軽ファンタジー」は、いやらし過ぎて、ほんとうにイヤになる。「のない世界」で佇むしかない『奇形児』もヘコみはするけどさ。



だいたい、読み手に考えさせる余地を与えないほど強引に「主張」を押しつけてくる登場人物を通して、なにを「感動」しろというのだろうか。主人公もヒロインもベラベラと喋りすぎ。そして彼らが熱っぽく喋れば喋るほど、こちらのココロは物語世界から遠ざかっていく。

それとおなじように、主人公がヒロインのことを手放しで「礼賛」するのも耐えられない。「ヒロインの容姿の描写」や「ビルのスタジオでパフォーマンスする場面」「自殺しようとしたヒロインを必死に引き上げようとする場面」とか、ヒッドいのなんの。そういうときに語られるのは、主人公の思考を通した「製作者=カミサマの評価」であって、わたしの印象ではない。ああいうのって、すごい冷める。


なんか、この作品って「グラドルのイメージビデオ」的な雰囲気がある。主人公たちを「監獄に似た絶望の街」で死んだように生きる「その他大勢の一部」としてではなく、「特別な輝き」を持つ「選ばれた者」として美しく描こうとしている。

いや、もっと踏み込んで言えば「ストーリー性の強い AV」か。「Semmy 的サービス感」溢れるスチルは多いし、「感動」という「快楽」を引き出すことを目的として作られているわけだから。

別に「そういうものだ」という心構えさえこちらにあれば AV でもまったく構わないけど、大抵が「監督のオナニーシーンばかり」なところが困る。つまり「感動させてくれやしない」。だから「感動系」ってキライだ。


ノベルゲームとしての出来は遜色ないし、なんだかんだで期待していただけに、複雑な気分。まあ、他の「レビュアー」さんが「正しく」評価するでしょう。




Parliament ~高貴なるモノとの日常~
これが正しい「自己満足」作品。どうでも良い内容と、そこで語られる「慎ましやかな自己主張」がなんとも微笑ましい。

ただ、「しかして」は「そして。それから。多く漢文訓読文に用いられる(Yahoo! 辞書より)」という意味らしいから、たぶん使い方を間違っている。

それと、「空の移り変わり」を表している部分が判りにくい(止まったかと思った)ので、そこをどうにかしたほうがプレイヤーに親切。

どちらにせよ、「Parliament」のくせに、よっぽど害がない作品。




桃色☆パニック
ヌッルーい少年誌的恋愛物語。ベタ9割り増し。

正直、人間の精神も良く判っていない(判りたい)と思っているから、「人工知能」や「完全人型ロボット」とかに興味が湧かない。

そういえば、「例え『ベッタベタな超王道物語』でも、製作者それぞれの『個性』が出るからおもしろい」といっている「有名レビュアー」がいたけど、微々たる差異でしかない「個性」なんてものがどれだけ乗っかろうと、「おもしろくない」ものが「おもしろくなる」わけではない。




>2011.07.04



娘子隊皓旗 ver. 1.21
「軍事」や「兵器」や「メカ」に一切興味がないし、「政治」も疎いし、そもそも、あとがきで「問題点」となるような要素はすべて挙げられているので、感想を書きようがない作品。

ただ、藍恋さんは短編よりも中・長編のほうが向いている気がする。これは「展開をダラダラと延ばせ」と言いたいわけではなく、「内容を細かく書き込む=結果的に文章量が増える」という意味。『ウェザーウィッチ』でも端折って「軽く」なっている部分があったので、もったいない。




>2011.06.28



Weather Witch
短いようで意外と長い、天上の魔女たちの「愛」に関する系譜。

「虹を架ける魔女」というひとつのイメージから、ここまで物語を膨らませられる力量はすばらしいけれど、正直、「自然現象である気象にちょっかいを出してコントロールするお仕事」の存在理由が、さっぱり判らない。

例えば『雲の王国』の「天上人」は、地球上の生物のつがいをこっそり蒐集したうえで「地上人なんて、まとめて洪水で押し流してやんよ」と大量虐殺したりしていた(いまはもう放映禁止レベルの発想だ、ノア計画)けど、この作品の「天上人(気象魔女)」は、「いや、そういうものですから」程度でしか描かれていないので、端からモヤモヤしてしまった。これならもう、小難しいことは抜きにした、完全なファンタジーとして語ったほうが良かったかもしれない。

それにしても、「気象への介入は人命に係わる事態を引き起こすこともある」ということをまともに教育していない(そのおかげで、毎度毎度「乙女」が傷つく構造になっている)という、ある種のいい加減さが、福島原発の欠陥設計を容認していた原子力事業のもろもろの関係者とダブって、非常に今日的だなと思った。そうすると、「危険だと思うけど責任とかあるし、今更辞められない! だからガンバっちゃう!」というオチも、それとなーく、どことなーく、「ああ、日本だな」と思えてきてしまう。

もちろん、そういう意図、というか結びつきはまったくないんだろうけど。藍恋さん、いろいろと気を遣ったらしいし。ただ、「虹を架ける魔女」というファンシィなモチーフに、「少女の成長」や「恋慕」といったテーマは、すこしミスマッチだったのかもしれない。と、ここまで「周りが固まっていない」と思えてきたり。ノイズ多し。

あと、どうでも良いといえばどうでも良いけど、あの語り口だと「え? どういう状況でこどもを仕込んだの? というか、あんな場所でムラついたの?」という疑問が湧いてきて仕方がない。まあ、「美咲が先」なんだろうということは予想できるけどさ。1958年の若者も、お盛んなのね。




>2011.06.20



明けない夜が来る前に
人生という「影」を世界に焼き付けた者が見る、美しい夢。

すべての要素が非常に高い水準で纏まっているこの作品は、「フリーのノベルゲームとして完璧に限りなく近い」。と、この文句は前にも使ったが、実際、フリーでこの水準に達しているというだけで善いのだ。

若月さんが「ブランクがあるので……」と書いているキャラクタの立ち絵も全然酷くないし、距離によってパターンを切り替えている=演出として成り立たせてあるし。これを2週間で完成させたというのだから、才能の違いを感じさせられる。

まあ、ボイスが頻繁に入るからか、同時に火狐を立ち上げていたからか、あるいはウチのXPさんのスペックが低いだけなのか、表示や切り替えがもたつくことがあったが、それは完全にこちらの問題なので、作品の質とは一切関係がない。無問題。




EDELWEISS
こちらは不要なプログラムを極力終了させていたからか、ボイス再生が少なかったからか、とくにもたつく箇所もなく快適だった。もしかしたら、スクリプト的にも洗練されているのかもしれない。

この作品は、「若月さんは、あの時代の、あの戦争について、なにかしらの関心を持っているんだろうな」ということが伝わってくる内容だった。実際の戦場での生活がどんなものだったのかは判らないが、充分リアリティを感じられるものになっている。もちろん出来は良い。

ただ、この手の「主人公の自問だけで進んでいく物語」は、主人公の勝手な思い込みを中心として展開していかれると、非常に感情移入し辛くて困る。コミュニケーションがまったく取れない相手の考えは推測するしかないとは思うけど、ウダウダと妄想したうえに先走って、結果「ともだちを誤って殺してしまったり」されると気が滅入るし、ますます主人公の考えに対してムカついてくるので、良くない。


(2011.06.28 - 2012.02.09)

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03:25  |  +ちらし のうら かんそうぶん  |  Trackback(0)  |  Comment(4)

Comment

Parliament

 どうも初めまして甲子想と申します。Parliament ~高貴なるモノとの日常~ の作者です。
 検索のひっかかり具合を調べて流れ着きました。

 Parliament をプレイして頂いたようで、どうも有難うございます。
 しかも感想や批評まで……感謝感激です!

 トラックバックも送らせて頂きましたので、宜しければお願い致します。
甲子想 |  2011.07.18(月) 11:31 | URL |  【編集】

誠意ある返答、そして記事訂正をお待ちします

 Semmyです。金田一少年と似ているシーンがあってガッカリさせた事には申し訳ないです。ファイルスタンプが2/4の最新バージョンでは変更しておきました。貴女のように疑念の目で見ると誤解を生みそうな箇所を直せたので、指摘はある意味ありがたいですね。
 ただし、変更前であっても《「殺人鬼」が用いるトリックの多くが》という表現はおかしいです。首を切られる殺人事件そのものが金田一少年自体に幾つもあります。鎧武者の殺人事件も理由は死体の誤認でした。もちろん、ミステリー界を見渡せば、首切り殺人は数え切れません。連続殺人事件ではバリエーションが必要で、その1つに「首切り殺人トリック」はあっても自然です。そして首切りトリックの理由の大きな要素は《死体の誤認》であって、一般的なトリックです。理由を考察する会話のシーンでは、全ての例を挙げてこそ意味があります。ちなみに、連想の元となったネタは金田一少年ではありません。
 また、当ゲームの殺人鬼によるトリックには色々あります。「窓に入ったように見せかけた」「首吊り殺人に見せかけた」「女を惨殺して、別の事件で首がない不自然さを消した」「仮面の魔術師を他の人にやってもらった」「階段の扉で大きな密室を作った」「薬で眠らせた」「電子ロックの扉で全員を閉じ込めた」「招待状で呼び出した」「都合の悪い人は殺さず閉じ込めた」「成り代わるための死体を見つけられそうになったので、人が近づかないよう危険を宣言した」「声を録音して流した」「検死をさせないために医者を刺した」「時間を確認しにくく連絡手段を断つために携帯電話を奪った」「クローゼットの血を元大臣の物と誤認させた」「メイドが朝にも生きているという偽の証言をした」「偽のダイングメッセージを残した」などですね。もちろん、他の推理小説にもこんなシーンがあるかも知れないし、オリジナルかも知れません。それをいちいち「これはあの作品の流用、あれはこの作品の借用」とおとしめるつもりですか?
 ともかく、ほんの一部被っていた事が事実であって《「殺人鬼」が用いるトリックの多くが》は事実ではありません。金田一少年と共通する何かばかり見ず、違う物ばかりに目を向けてはどうですか? これは私に対して貴女が見てきた属性にもいえます。人の嫌な所ばかり見るのではなく、いい所を見つけるのが幸せの秘訣です。
 なお、当方のこの文をコピーして、また誹謗中傷に使うのが貴女のパターンですが、ocnの規約によると、そんな行為を許しているように思えません。ocnとかfc2の話を出すと、またお決まりのコメントを貴女が返すのでは誠実さがありません。
 途中までしかプレイしてもらえないのは、当方の作り方にも原因はあるにせよ、「殺人企画者はあいつ! 理由は金や自分の主義のため。」なんてオチではないですよ。というか、当ゲームは「トリックを解いたつもりのプレイヤー」が30点にしか行けないから難解のゲームなんです。30点時点では殺人企画者の施したトリックが全く解けていません。「解けたと思ったのに!?」こそが、当方のシナリオ演出の手法です。
 それから、立ち絵の絵描きさんは20代前半です。憶測だけならともかく、目的が誹謗中傷なので現状の貴女にはレビューして欲しくないです。別に再プレイはしなくていいです。30点で底が見えたゲームだと思い込んでいればいいです。
 ゲームや当方、そして絵描きさんや応援してくれる人に対してまで変なレッテルを貼るなど、嫌がらせはもうやめてください。今回はちゃんと現れたのだから、新記事などでまた叩くのではなく、誠意ある返答、そして記事訂正をお待ちします。誠意ある対応とはもちろん、私のお願いを拒否して勝ち誇ったり、誹謗中傷の正当性を強く主張して、書いた文に更なる反論を書く事ではなく、真心のある人間ならするであろう対応です。
宜しくお願いします。
セミィ |  2012.02.04(土) 12:11 | URL |  【編集】

>そういうときに語られるのは、主人公の思考を通した「製作者=カミサマの評価」であって、わたしの印象ではない。ああいうのって、すごい冷める。

この文章内の「わたし」とは何を指すのでしょうか?
こちらの読解力が低いせいなのかもしれませんが、わかりやすく補足していただければ幸いです
通りすがる |  2013.07.29(月) 11:54 | URL |  【編集】

通りすがる さん

通りすがるさん、こんにちは。

意味が掴みづらい部分があったようですね。論理性の乏しい文章でお恥ずかしい限りです。

ここでいう「わたし」はそのままのわたし(=akino)です。「読み手」と言い換えたほうがより正確でしょうか。いまの感覚で書き直すと、


>このような場面で語られるのは大抵、主人公の思考を通した「製作者=カミサマ」の評価であって、読み手が(物語を通して)キャラクタに抱く印象を代弁しているというわけではない。そして、この「カミサマの評価」が押し付けがましいものであるとき、読み手は違和感を覚え、スッと冷めてしまうものなのだ。


とでもなるでしょうか。
akino |  2013.07.31(水) 02:22 | URL |  【編集】

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