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2017.05.26 (Fri)

『 やがて僕の訪れる公園 』-mere impressions #046

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題名:やがて僕の訪れる公園
制作:https://twitter.com/nukkoro_q
種別:novelistic game

評価:★★★★★★ 6



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やがて僕の訪れる公園 version 1.01



ガムベースさん本人が感じているように、彼の最高傑作。

実は中身がほとんどない。であるとともに、読了時、おもわず声を上げてしまうほどに素晴らしい逸品。

物語に対する熱量も、構成の巧みさも、比べてみれば他の三作品は稚拙ですらあったと感じてしまうほどに頭抜けている。間違いなくキャリア最高の出来だろう。


そしてこの作品、「ノベルゲームと読み手の関係性」の寓話でもあった。

読み手は現実世界からの「傍観者 / 観察者」である。と同時に、ある瞬間 (読書体験・感情移入といった行為を通じて) 半ば暴力的なまでの強引さで、読み手が物語に「組み込まれてしまう」ことがある。

つまり、クリックによる読み進めや、物語の節目に現れる選択によって、わたしたちは少女や殺人者に「ならざるを得ない」部分がある、ということである。

この作品はその構造を、時系列や意識の混沌さを上手く利用して、読み手に追体験させるように出来ている。物語上で発生する事柄に対しての好悪は別にして。

この点において、Twitter 上で繰り返している表現論より、よほど鋭敏にノベルゲームというものを表していた、といえるだろう。この時期のガムベースさんは聡い。



ただ、前述の通りこの作品に中身はない

なぜならこれは、ガムベースさんの壮大な自分語りだから。というよりも、彼の作品はすべて漏れなく自分語りである。以前からうすうす感じてはいたが、今回、明確にそう悟った。

わたしのようなものからすると、彼は小児性愛ではなく、ただ己の性癖 / ファンタジィ (と射精とを) を愛しているように見える。作品紹介に申告されている通り、この作品が「ラブストーリー」なのだとしたら、それは彼と彼との愛の物語なのではないか。

そして、彼の Tweet 群でも散見するような堂々巡り (もっとも、この作品における堂々巡りには、無駄な箇所がひとつもないことを強調しておく) ……。

彼は自分の性的ファンタジィを愛し、堂々巡りを愛し、そしてなにより自分自身を愛しているのだろう。そういった意味で「中身がない」。常に自分の話しかしない男性を思い浮かべてもらえば、どれほど退屈か理解してもらえるだろうか。



それにしても、わたしの十倍以上はあたまが良く、言語的なセンスも同程度に優れているガムベースさん、その当の本人がつまらないというのは本当にもったいないことだ。

なにより悲劇的なのは、彼の性癖が特段、異常でもユニークでもないことだろうか。Twitter でも pixiv でもなんでも良いが、オタクがザル一杯に盛られている場所へ赴けば、ゴロゴロと転がっている程度のものでしかないのだ。そういう意味でも中身がない。

この作品のセクシャルでバイオレンスでグロテスクな部分は、いうなればハッタリにすぎない。そのハッタリに騙されないで、作品を鑑賞できる人が増えれば……それが幸福なのかはわからない。ある意味で、そのハッタリによってガムベースさんの自意識が保たれている部分もあるのだろうから。


とりあえず、次回作がこの作品に比肩するレベルに達すればバンザイなのだろうが、まあ、たぶん無理だろう。それくらい、この作品は傑作である。



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02:16  |  +ちらし のうら かんそうぶん  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

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