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2014.12.27 (Sat)

『 わらうほし 』-mere impressions #016

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題名:わらうほし
制作:最弱革命
 ( 入手:わらうほしの詳細情報 | Vector
 ( 参照:わらうほし 最弱革命 | Google 検索
種別:Novel

評価:★★☆ 2.5



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わらうほし



まず、見てもらえばわかるように立ち絵がきれい。さらに、システム周りのテキストにまで世界観に見合うアレンジを加えているこの細やかさも素晴らしい。

まあ、そこまで完璧主義的な作りこみをする一方、肝心のノベル本文では、日本語として引っかかる部分が多々あったのだが。

とはいえ、文章全体としての雰囲気は魅力的だったので、目くじら立てるほどのものではないといえるだろう。


さて、作品内で主人公や「歩夢 (画像左) 」が持ち出す社会批判めいた理屈に対して、ある種のアレルギー反応を起こしてしまうオトナの方も多いのではないかと思う。

わたしも話半分的な受け止め方しかできなかったのだが、読み終わってみて、ああ、これは「出逢いによって人生は変わっていく」ということを言いたかったのだなと、考え直すようになった。途中の理屈に賛否はあっても、人間が抱えるこの基本的な真実は覆せない。

要するにこれは小説的な娯楽作品ではなく、メッセージソングのようなものなのだ。作品全体を通して、ひとつの想いを歌っている。

だから例えば、「高校生にしては精神年齢が低く、中学生かと思わせる (あたまが良いことになっている) 主人公」と、その逆に「『自動車』すら知らないはずが、たまにオトナのような理屈を持ち出す八歳児の (病院の外に出たことがない) 『歩夢』」といった据わりの悪さに対して、現実的な整合性を問うても、ほとんど意味がない。

主人公も歩夢も、投射された (メッセージという名の) 「光」を受けて生じた「影」のようなものだ。その光源はおなじであるから、明確にどちらがどちらという区分もないのだと考えれば、納得できるだろう。


と、ここまでこの作品を肯定しておいて、しかし、そこまでハッピーな気分というわけでもないのは、この人間関係が人生に与える影響の強さが、そのまま「孤独への恐怖」の大きさとなって、人間を支配するからである。

人間、孤独でいるくらいなら死んだほうがマシなのだ。孤独の持つ凶悪な毒性は、他者との関係に依らなければならない人間の、ある意味での「呪い」である。

それを考えると、「受験に特化した知識の無意味さ」うんぬんなどは、わりかしどうでも良いことになってくる。



あと、満天から減星 0.5 なのは read me にエクスキューズめいた文言が載っていたから。

その内容は、本編を読めば嘘でも媚でもないとわかるのだけれど、こういった「作品そのもので勝負できない」制作者のメンタリティが、結果 Free Novel Game をつまらなくしていると思うので、個人的に残念だった。




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02:59  |  +ちらし のうら かんそうぶん  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

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